まず……

7年半にわたる週間連載、完結おめでとうございます。

そして

ありがとうございました!!!!!!!!!


第一話から本誌で読んでいるので(本当に、偶然なのですが)、物語の大団円とともに、自分の7年半の集大成でもあるような気がして、感慨深いです。
7年半。
7年半もあれば、本当に、いろいろなことが起こりますね。
世の中もガラッと変わってしまったし……。

でも、晴れの日も雨の日も、元気な時も元気がない時も、
木曜になれば好きな漫画が読める。
それは生活していくうえで大きな大きな励みでした。

大きく広がった物語を、きちんとたたむ。
それは当たり前のことでなく、ものすごくエネルギーがいることだと思います。
この作品の最初から最後まで追いかけられたこと、大変光栄です。


さて、泣いても笑っても最終回。あ、コミック加筆はあるけれど……


梅ちゃん。
ずっと気になってた&この物語の出発点なので、最終回に登場してホッとしました。
身なりがだいぶ良くなってる……一瞬気付かなかった。

目は治っていないと一読目は感じたんだけど、どうだろう。”におい”で佐一ちゃんだ、と分かったのなら、杉元にとってこのうえない救いだなぁと思って。
でも、他の店員さんの顔色や寅太郎のいたずらにすぐ気づいているから、「あのにおいの人(寅次の骨を届けてくれた人)」が杉元だったと気づいた描写なのかもしれない。

役目を果たした杉元、一方で困惑(そりゃ突然びっくりするよねぇ)する梅ちゃんがさらっと描かれているのがよかったです。またそれぞれ、別の道へ……。


榎本さんが想像以上におじいちゃんだった。
そりゃそうか、某土方の歳三さんがおかしい。
兼定も最後の大仕事。というか、だいぶ今まで想定外の使われ方されたね笑

鉢巻を外したアシリパさん、凛々しい。
偽コタン編で室内でマタンプシを外す/外さない話があったのを思い出しました。


やっと出会えた干し柿。
思うに、何かで突然変わるっていうことは人間ないんだと思います。
少しずつ、少しずつ……血が流れた傷が乾き、かさぶたができ、いつの間にかぽろっと取れているように。自分そのものは変わらないまま、ゆっくりと変化はしてきた。だから、今、干し柿をおいしく食べられている。

それにしても、杉元、服はボロボロだし耳もとんでもないことになってる。
これは梅ちゃんのお店の人もびっくりするよ

…………


というかシンプルに杉元生きてる??!????!????!(気づくの遅ない?!?)


え?刀?刀貫通してなかった?
どっきりグッズの刀だったの?え?なんで??????

この不死身、不死身すぎるッ!


杉元が出した「故郷」の結論に、海が優しく凪いでいくような気持ちになりました。
そうだね。
故郷は新しく作ったらいいんだね。
なんなら、いくつあったっていい。
心が落ち着ける場所が故郷。帰りたいと思う場所が故郷。これからも故郷で楽しいことがたくさんありますように。

白石の去り際も、白石らしくてとっても好きです。
逆に全国津々浦々が故郷な白石。
あと他のかたの感想で知ったのですが、白石の背景にある豪奢な門、遊郭なんですね。
ゴールデンカムイ??列車編が終わったと思ったらゴールデンカムイ遊郭編が始まっちゃう!(始まらない)

ポンポンポンとテンポよくみんなのエピソード。

若いのにおかしなこと言う、と思われてるんだろうなぁ。夏ちゃん。
個人的に、ずっと「日泥」のハッピだったのが、「奥山」(自分の苗字)のハッピになっているのが、ジーーーンときました。えらくなったねぇ。

長生き永倉おじいちゃんに、子だくさん谷垣さんチ。ていうか多いな??!???
二瓶さんとこみたいに女の子が続けて生まれるのかなと思ったら、逆だった!
食費が大変そうだ……げんじろちゃんしっかり稼がなきゃ……
阿仁でマタギとして暮らしているのかな。故郷に戻れてよかった。

そして門倉&キラウシ&マンスール組の顛末に思わず吹き出しました。
映画の情報量が、情報量が多い。
しかも大コケて!映画化云々言ってるのに縁起が悪い……笑 これ映画化じゃダメ?ダメかぁ
キラウシさんは仕送りできてるんですかね……?

と、笑ったあとに、一枚の絵でガツーーーンと殴られるとは。
すごい。
たった一枚の絵と、一行のタイトルなのに。

やっぱり生きていて夢だった画家になれたんだとか、彼の亡骸を見つけていたのかとか、尾形弔ってくれる人がいたよこれは愛じゃないのとか、ヴヴヴァさんの本名?!とか、色んな感情を、一コマで、一息でぶつけられる。頭がぐらんぐらんする。
尾形のことが分かったかといえば私はきっと分かっていないし、本人もきっと分からぬまま戦い続けてきただろうと思っていたのが、この一枚の絵でだいぶ昇華されました。
今は静かに眠る山猫。

いつも水辺で探し物をしている軍曹と、まっすぐな鯉ちゃん。
ここも名コンビなんだなぁと思いつつ、これから先進んでいく未来を思うと胸がキリキリします。
生きて。
鶴見中尉はあのまま深い海の底へ……なのだろうか。前号までのことが記憶に新しすぎて、まだ消化中です。

アシリパさんの未来も、さらっと書かれているけれど、長い長い道を歩んだことが分かる。
海外の博物館にアイヌ民具が収蔵されていますが、あれは実際どういう経緯で渡ったのでしょうか。
ゴールデンカムイはゴールデンカムイという物語として楽しんで、実際の歴史もまた別に知った方がよいな、と感じることが多くなりました。ゴールデンカムイがあまりに調べられて練られて書かれているので、自分にも知識がないとちゃんと読み取れないな、と思う次第です。


さあ 物語もいよいよ最終盤。
アシリパさんの身長が。これだけでもう泣きそう。このペースだと杉元追い越しちゃわない?
起承転結の結は……「アイツ…やりやがった!」
おいしいとこ持ってくなぁーーーーーー
カバーのビルマ語監修どこのこと?と思ったらまさかの。もしや杉元が戦争で、、、とかヒヤヒヤしてたけど、なぁんだシライシか。なにやってるの?
房さんのことも踏まえてかな。全国津々浦々が海外にまで行っちゃった……で、その後なんやかんやあって収監されて海外の厳重な監獄から脱獄する新しいストーリーが始まるんですよね?


前号まで、無限暴走列車に揺れに揺られてこれ停車できるんか?と思っていたのですが、
最終回、思ったよりずっと穏やかでした。
一人一人の物語が、一つ一つ収束していく感じ……

生き残った人 死んでしまった人
役目を見つけた人 探し中の人
それぞれの金塊争奪戦はここで終わり、また新しい毎日が始まる。


7年半もの間、心のどこかに常にこの作品の居場所がありました。
そんな作品に出会えて、本当に幸せです。
読んで面白いだけでなく、実際の歴史、舞台になった場所、他の人の感想、それらまですべて知りたくなるような作品は初めてでした。感想も自分の中で抱えきれなくなって、こんな場所を作ってしまうし……。

加筆(というか新しい話の書下ろしレベル?)がコミックであるので、本当の終わりではないのですが、最終話「大団円」ということで、これにて私の感想も終わりです。
あっ コミック加筆によって、追記してるかもしれませんが。


たくさん素敵な感想があふれる中、こちらをお読みいただきありがとうございました。
そして野田先生、本当にありがとうございました!!!!!








ゴールデンカムイ展行きたい行きたい行きたいとか、
スピナの続編おめでとうございますとか、
色々あるけど、先生本当にお休みなかったと思うので、落ち着いたらげんじろちゃん抱き枕と一緒に温泉行かれてください。