今週……何か大きな事件が起きたわけではないのに、読み終わった後しばらく動けませんでした……。
いよいよ佳境という感じです。



狼というワードに浮足立つ。
湯たんぽはついてきてくれているけど、レタラは北海道に家族がいるし今後出ることはほとんどないだろうなぁと思っていたので。

回想ウイルクの『弱いものは負けて喰われる』
このセリフ……!
第一話、マタカリプと戦う時にアシリパさんが杉元に言ったセリフ『弱い奴は食われる』だ──

初登場時のアシリパさんは本当に大人びていて、据わった目で言ったこのセリフがすごく印象に残っていました。厳しいけれど自然界では正しい言葉だ。父の言葉だったのか。

うつむくアシリパさんの表情が……切ない……。

レタラみたいな子たちがたくさん!
と喜んだのもつかの間、ソフィアさんから語られる回想パート。

ウ イ ル ク ……!

なんかもう言葉にならない。
ゴールデンカムイのキャラクターって皆、迷いが命取りになるから即決断・即行動のイメージなのですが、その最たる者がきっとウイルクだ。
せめて、大怪我を追った彼が「苦しい。殺してくれ。」と懇願していたら楽だったかもしれない。ソフィアさんの気持ちがすごくよく分かる。

誰もが決断できないこと、決断したくないことを決断するのがリーダー。

迷いとか、悩みとか、後悔とか、色々なものと折り合いをつけて進んだり戻ったりしながら前を目指すのが人間らしさと言うなら、それらを全て削ぎ落したのがウイルク。極めて合理的な、オオカミのエピソード。

キロさんのウイルクへの信頼もとても重い言葉ですね。
命を懸けあっていたんだ皆。


思い描いた通りに実行できるウイルクについて、「恐ろしい人」とは思うのですが、「悪い人」とは感じない。どうしてだろうと自分なりに考えると、『そういう役目の人だ』ということに行き着きました。トロッコ問題に決断を下す人。何かあった時にあらゆる責任を被る人。
あと、正直、北海道にやってきてからのっぺらぼうになるまでガサッと経緯が抜けているから、まだウイルクのことが全然分からないというのもあります。


そして8巻73話のあの回想。
この続きがずっと気になっていた。
ウイルクがアシリパさんに伝えた”大切なこと”。

アアアーーーーー…………。

狼回は狼回でも、こんな意味が……。

アシリパさんが身に着けている毛皮、最初から何の動物のものか気になっていたんだけれど段々忘れていた。シロクマなんて日本にいないし、まあ杉元が黒っぽいから画面映えする白にしたのかなーなんて。ちゃんと由来があった。マタンプシを着用して外に出て狩りをしているのと同様に。これも父のもの。


思い出にうつむいていた表情から一変、頭の中で色々なことがつながって天を見上げるアシリパさんの表情が本当に素晴らしい。今回ほとんど回想とアシリパさんの心象風景だけれど、世界がどんどん展開していくような広がりを感じる。

そして最後にグッッッッと下がる体感気温。

怖い怖い怖い怖い。尾形怖い!

きっと彼なら「どうしたのー?忘れ物でもしたー?」なんて絶対考えない。このタイミングで急に声を上げたということは重要な何かを思い出したのかと考える。誰か、誰か尾形の気をそらして。トラ!どこ行ったの!山猫より強いでしょ!



あまり、いやほとんど先のことを考えずに読んでいるのですが、ずっと残されていた謎「刺青の暗号」に取り掛かりそうな今、さすがに、終わりが近いのかと気付いてまた底冷えしています。
嫌だ。。もっとみんなで楽しくしているのを見ていたい……ラッコ鍋……全裸温泉バトル……スチェンカ……バーニャ……。だけど早く真相を知りたい……金塊のありか……尾形の目的……。啄木先生の新聞の件や、北海道にいる鶴見中尉や土方組の動きも今後あると思いますが、どうなるのでしょうか。


あッ 16巻は来週12月19日(水)発売ですね!「かっこいい」鯉登少尉が目印です^^
純粋にサーカスを見て笑い合っていたあの頃。。。