暑い毎日が続きますね。。
でも、ゴールデンカムイは「実りの季節」。あれ、いつの間に……?
まず、フチと赤ちゃん!!!
二人とも元気そうでよかった;;;
稲妻蝮は”こちら”にはもういないけれど、赤ちゃんは落ち込んでいたフチの明日への活力になっているというのが、それだけで涙腺に来る。。
もちろんそれは偶然の産物なのですが、亡くなる人がいれば生まれる人もいて、縁に奇跡を感じます。
今週はたくさん、新しいアイヌ語や、描きこまれた美しい北の景色が出てきて、資料集を読むかのように、一つ一ついつもよりゆっくり読みました。
ピヤパ(ひえ)やムンチロ(あわ)といった穀物の収穫。
『空には雁が渡ってきて子供たちが追いかける』
アシリパさんの言葉ですが、「子供たち」と客観的に表現しているのが、彼女が、大人と子供の間にいるんだなぁとふと感じさせる。
そして、何より大きな秋の知らせ、それは チュクチェプ、鮭。
そのまま「秋の魚」という意味だそうですが、シサムではサンマのところ、アイヌでは鮭なのですね。
シントコ(漆器)一つは鮭100匹と交換というから、交易においてもとても重要な意味を持つ。
キロさんと谷垣がその鮭漁に出る一方で、杉元とアシリパさんは山へ実りを獲りに。
ニセウ(どんぐり)、ハッ(ヤマブドウ)、クッチ(サルナシの実)……。
本当に新しいアイヌ語がたくさん!覚えられるかなぁ。
クッチ、甘くておいしいらしいけれど、フラグがすごい。「ヒグマも大好き」「食べ過ぎると肛門が痒くなる」
特に後者どういうこと?!?アレルギー的な?これがまさかあの場面の伏線になるなんてこの時は想像だにしなかった……なんてことになるのか
自然とともに生きるアイヌの知恵を学び、季節の移り変わりを感じる杉元。
盛夏はこれからと思っていたので秋の訪れにびっくりしたのですが、北の大地の夏は短いのですね。
鮭漁組は、キロランケが講師役。
そう言えばキロさん、初登場時はイトウ獲るシーンだったから、魚のイメージ強い。
鮭もユク(鹿)と同様に、それ自身がカムイではなく、天上のカムイが海にばら撒いてくれるものらしい。
空気と同じで当たり前にあり、でも、なくなると生きていけないものだから、頂くときは丁重に扱う。
こう生き生きと話すキロさんを見ていると、アシリパさんと似ているなぁと感じ、悪い人ではないなという思いが強まります。
あと谷垣、フチのマタンプシもらってきていたんですね。
ああ、今週はほっこりヒンナ回かなと思いきや。
アシリパさんの本音。心の底からの素直な言葉。
後ろ向きな感情を言葉に出すのは初めてではないでしょうか。話はついに核心まで来たのだとしんと静まり返るような怖さを感じました。
強いし、逞しいし、知恵がある。大人顔負けのシーンが多い中、やっと年相応の、というかこんな状況に置かれたら大人子供関係なく誰だって思うだろう感情を、素直に吐き出せて、良かった。
群れリーダーアシリパさん、と以前書きましたが、もっと大人を頼っていいんだよ、甘えていいんだよ、と思ってしまう時があります。
そして漁に出た三人は――
三人?!??!!?
低い空の下高くそびえる要害堅固。
その壁面を鋭い目で見つめるキロランケ、谷垣、そして土方さん!!!!
何気に鮭大漁だけど、明らかにこの人たち普通の漁師じゃないッ……!
もう完全に騙されました。
フチの扉、杉元とアシリパさんの会話から、キロさんと谷垣も漁に出ているのだと信じて疑わなかった。
よくよく見れば、ずっと、後ろに三人目(土方さん)の影があるのですが、目に入っていなかった。
キロさんと谷垣なら、アイヌの格好をして舟に乗っていても、今までの経緯からおかしいなとは思わない。
でも土方さんまでとなると。
こういう演出が本当、ゴールデンカムイは憎いです。
たった一話のなかで、ぐいぐい話を進めながら、どこかで予想を転覆させてくる。
そしてもう、着いてしまったのですね……!
空は雲が垂れ込めるようにおどろおどろしく描かれていて、まさにここが”目的地”だとひしひしと感じさせる。
アシリパさんの気持ちに寄り添う杉元の言葉。
ついに、すべてを知る地へ足を踏み入れる!
季節の巡りと、一行の足取り、時と距離がすごい勢いで進んでいた回でした。
全く個人的に感じたことなのですが、「ここが終わりの地」という感じはあまりしません。話は一区切りすると思いますが、ちらりとロシアの政情に言及されていたし、啄木通じて企まれていることもあるし、またここからもう一章あるのではないかと。終わりの地であり、始まりの地になるのではないかと。
今週出てこなかったメンバー、特に内部を知る白石や牛山はどう動くのか、監獄側では犬童の思惑が何なのかが気にかかります。
長い道のりもついにここまで、感慨深さと言うより、怖さが先に立つ。ヘビーな展開に覚悟をせねば。
あ、でも次回予告「秋の魚を食べたい」になってる。
どっちだ……。
コメント一覧 (4)
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- 2017年07月18日 09:55
- キロランケ、馬連れたまま秋になるまで家に帰ってないんですね
土方が金銭援助しているんでしょうがそれでも奥さん大変ですよね
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- 2017年07月18日 22:49
- >いかあくまさん
ラッコ鍋回、温泉回と大大大サービス?が続いていたので、この後シリアス回に突入するんじゃないかとヒヤヒヤしています。そう言えば、コミック表紙になっているキャラはまだ誰も死んでいないですよね。怖い。。
確かに、網走監獄編は佳境だと思うのですが、ロシアとの関わりや、金塊・暗号の謎にノータッチなので、まだもう少し話は続くんじゃないかなと思っています。
仰る通り、歴史的に第七師団、土方さんが革命を成功させる未来は有り得ないと思うので、結末がどう描かれるのか……。
はじめは歴史ifは土方さん、永倉さんだけだと思っていたのが、啄木先生が出てきて、当時の社会情勢も綿密に織り込まれているので、これからも史実との絡みはたくさん出てくるのではないでしょうか。本当に、近代史をもっと勉強しておけば良かった!
あ、フチの刺青気づきませんでした……。早く11巻欲しいなぁ。
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- 2017年07月18日 22:53
- >ヒゲボウズさん
そうなんですよね。奥さん懐の広そうな方でしたが、キロさんの労働力はめちゃくちゃ大きいだろうに。
特に何も触れられていないのは、お話に関係ないのか、それとも”アシリパと一緒に旅に出る”ということが、最初から織り込み済みだったのか……。
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そういえば最近、アシリパさんの変顔がないですね。
シリアス度のバロメーターみたいなものなので、最近では谷垣さんがその役目を担っていますが。。。
あとフチの口の刺青がないシーンは単行本で修正されるのかな……
そしていまいち真偽が分からないのは金塊とその暗号ですね。
金塊は第七師団が見つければ史実が大幅に変わってしまうので、これは達成されないのだろうなーとか思ってしまいます。
しかし、史実には「どこから出てきたのかわからない金」というのがたくさんあったりします。
・満州国建国資金(アヘン栽培?)
・西原借款(中国への莫大な軍事資金貸し付け)
・政治資金(鳩山家は北海道ですね)
ゴールデンカムイなら、きっとこのあたりの史実にも触れてくれるんだろうなーと期待しています。