2018年07月

第167話 白くらみ

扉、ゴオオオが風雪の音かと思ったら
「ゴオオオオルデン カムイ」になってる!!!面白い!
コミックでは消えるのでしょうか……^^


連日の猛暑で大変ですが、本誌は完全なホワイトアウト。
壮絶な描写で、外は蝉の鳴き声が聞こえるのに寒気がしてくる。
大雪山回でもちらっと触れた気がするのですが、『八甲田山死の彷徨』を思い浮かべました。
感覚全て吹き飛ばす地吹雪、一寸先は死の世界……。

一旦安全な建物へ避難する月島組(ギリギリまで杉元たちを案じる様子に嬉しくなりました)に、ビバークする杉元組。

あぁ~ マタギの谷垣さんがいてよかった;;;
少女団のゲンジロちゃんとはなんだったのか。

そう言えば、八甲田山……も確か、雪中行軍への理解・対策の違いで命運が別れていました。(青森隊と弘前隊)

橇のところは私も、何するの?!とひやっとしました。なるほど、そういうことか。
リュウ&樺太犬の布団のところはちょっと羨ましい……モフモフ。

改めて、四方八方から吹き付け、視界のほとんどを奪う吹雪の描写が真に迫るなぁと思います。
ここまでのはもちろん体験したことがないんですが、風雪がひどいと、指先とか耳とか感覚を失って、暖房があるところに駆け込んでも全然すぐには戻らないんですよね。ホワイトアウト、想像するだけで恐ろしい。


月島軍曹たちは無事に建物に避難できたようでヨカッタ。牛舎?
よく見ると、布をかぶっているエノノカちゃんが、歯をガタガタさせててすごく味のある表情にww
”マタギ”谷垣の信頼は厚いなぁ……。


寒さに薄れる意識の中で、

アァーッ このシーン、見、見、見た………。

そうだよ、杉元食べたことあるよ。そこから、谷垣は賢吉につながったんだよ……。
二人とも覚えてないのかぁ。。。
いや、こんな状況じゃなかったら、もしかしたら思い出せたのだろうか。
味覚って、あいまいなものなのに、こんなに強固で、不思議ですね。

もう雪の音なのか銃声なのかも分からない。



その頃、月島軍曹と鯉登少尉に人影が忍び寄る。ロシアの方!
サーカス回とか、国境での銃撃戦とかあったから一瞬ヤバイッと思いました。
あれ、でもどっかに案内してくれる?

軍曹も、建物の外でギリギリまで銃で合図をしたり、咄嗟に『仲間が近くで迷っている』と言ったり、想像以上に仲間意識が芽生えてるのかな……とちらっと思いました。裸の付き合いとかもしたからね。※バーニャ

案内された先にあったのは、
何ぞこれ??????

ランプが拡大して描かれてるのかなと思ったけど、いやそうじゃない。比較して軍曹がすごく小さい。
とりあえずロシアのおじいちゃんは掃除をしろと言う。あ、中に入れるのか。外が見えるってことはガラス製なのね。鯉登少尉何してるの。ページをめくるのに必死でまだ何か想像つかない。(勘がいい方はここらへんでもしかして分かったのかな?)


全身凍りつく寒さの中で杉元が思い出すのは、戦争で失ったあの人のこと。
一緒に帰ってこられなかったあの人のこと。
死と生のはざまで、「あの戦場に戻りたい」と思ったら、杉元はこちらへ戻ってこれなかったと思います。
肩に手がかかる。引き留めたのは、小さいけれど強い光。


アーーーーー これ、そういう建物!!!
そうか、海の側って言ってたもんなぁ。。
あと、谷垣の話、そう言えば網走監獄潜入は「月のない漆黒の夜」だった。
事前に出てきた色々な情報が、後に物語に色々な形で絡み合ってくる――しょっちゅう書いてる気がしますが、ほんと、構成すごいなぁといつも感動しながら読んでいます。

鯉登少尉が横切ったことで影絵みたいになるの、ブロッケン現象みたいだなと思った。何してるのだけどここはナイスプレー!

あとは最後の気力体力振り絞って、光まで真っ直ぐ進めッ……!



杉元とアシリパさんがずっと離れ離れで、キロさんたち一行もどんどん先へ進んでいく展開に心が苦しくなることも多かったのですが、一筋の光明が見えた気がして、まだ道のりは遠いけれど、勇気が湧きました。
どんなに暗がりにいたとしても、光の方へ進んでいけば大丈夫だ……。


ところで。

照らすハウス。


最後にこんなん、もう、全部持って行かれた……。上手い、上手いけど!!!
そして後でコミック派の方がこの感想読んだら、????ってなるやつだ。
後ろの予告アオリです。アオリに「照らすハウス」って書いてあるんですマジで……。

第166話 頼み

カラー扉・・・・・・!!!!!!

この三人、というだけでもう涙腺が。それくらい会っていない……;;
塗り方でしょうか。いつもと雰囲気が違う気がします。
水彩タッチでやさしい……。
こちらのミニポスターが、15巻アニメDVD同梱版についてくるんですね。予約は7/20(金)までですよー!

茨戸編と、巨大鳥編が入るそうですが、
「アシリパさんが…ちょっと浮いてるぅ!!」でお馴染み
のキャッチに笑ってしまいました。そのセリフそんなお馴染みだっけ笑



扉と打って変わって本編、私にも何か憑いてるんだろうかと思うくらいズシンと来る展開なこの頃。
木曜日が来るのが楽しみでもあり恐ろしくもあったのですが、1p目の美しい景色に泣きたいような気持ちになりました。満点の星空と深い森、そしてそこにある人々の小さな生活。

今週のアオリ「思えば遠くへ来たもんだ」(最初サブタイかと思った)、もいいですねぇ。海援隊?
星屑notロンリネスは、、タッチ???

このあたりで、北海道組の様子に戻るかなぁと思ったのですが、引き続きアシリパさんチーム。
尾形ちゃんまだちょっと具合悪そう。

馴鹿肩甲骨占い。

日本史で習ったのは、中国から伝わったという亀卜や獣骨占いでしたが、色々な所に存在するんですね。
占いと聞くと、少し怖くなる。先々週のサブタイ「悪兆」だったのもあると思うけれど、あまりいい予感はしないというか……マッちゃんは「運命は変えられる」と言っていたけれど……。
あ、でもウイルタ民族の占いは、結構日常に即したものだった!

「猟で熊獲れる」「明日は猟で馴鹿二頭獲れる」「猟の途中で用が出来て帰る」←ピンポイントだな

出た結果は――

「後方から人が来る」

アアアーーーッ ついに、ついに!!!これ杉元たちだよね??絶対そうだ、そうであって……!
やったーとなってもいい結果だと思うんですが、アシリパさんが一切顔には出さない様子が、樺太編のアシリパさんだなぁと感じました。信じているとは言っても、杉元の生死は不明のままだし、キロさんと尾形の手前というのもあるのかなと。もし全員が顔を合わせることになったら、金塊争奪戦は更にひどい争いになっていくだろう。

そんな怖い占いじゃなくてよかった、と思ったら
キロちゃんやめてよねぇ?!??!
あーほんと、その形にならなくてよかった。わざわざ紹介したってことに引っ掛かりは感じるけれど、とりあえずヨカッタ!!!

そしてお世話になったウイルタの方々とお別れ。
お父さんいい人すぎんか;;;;;
馴鹿も融通してくれたし、もうほんと、このご家族に幸あれ。

このまま先へ進むのかとおもったら……キロさんから思わぬ提案が。
ああこういうところ、キロさんの人間力深いなー……と思う。
白石がアシリパさんに逃げようと言っていたのを聞いたのと、アシリパさんが先を目指すと決意したのと両方あると思うのですが、勝手に置いていったり、ましてや始末したりなんかはしないんですよね。ちゃんと話をつける。

ところで、『俺から「逃げる」必要なんかねえんだぜ』のキロさん、セクシーすぎやしませんか。
何このセリフ……!このコマ指でこすったら麝香がする仕掛けついてるんじゃないかな??
モテるわけだぜ……!!

アシリパさんもキロさんの提案には賛成だけど、けど、でも……!
こんなあっさり、嘘。これじゃアシリパさんを導く人はいても、アシリパさんに寄り添う人がいなくなってしま


シシシライシィ~~~~ッッ!!!!!!

そういうとこだぞッッッ(号泣)


10巻の白石奪還編の時と、網走監獄での約束が、この今まで生きているんですよ……。
あ~ やばい。 ついに「やばい」という感想になってしまった。毎週書いてるのに進歩しないなぁ。

そうだそうだ、いつかまた「やっぱりあの三人!」になるために、やっぱり白石はアシリパさんといなきゃ。
金髪美女も……可能性はゼロではないからね、うん!!
なんかお守りを掲げる白石の眉毛が太くて辺見ちゃんぽいww
いやー そのお守りの後ろにキラキラ少女マンガなトーンが貼られてるのはどうかと思うけど、よかったよかった。
ん、「後方から人が来る」この白石のことではない、よね……?

占いも古代からされてきたもので、統計、科学、そして神秘の力、色々な要素によって成り立っている思うのです。だからあながちあてずっぽうなんて言えな い

う、うわああああああ!!!!!!


あっあっいきなりの伏線回収
この演出……もうほんと、引き込むのが上手い……そして本当に恐ろしい……!

白石が、まさか。それとも白石が合流したことによって誰かが……?

「運命は変えられる」、それは、変えようと思っているからで、この結果をもう絶対に知ることができない四人はどうなるのか……。

ゴールデンカムイ、人がよく死ぬイメージはあるのですが、コミック表紙になったキャラたちはまだ全員存命なんですよね。あと、カノさんや月島軍曹、鯉登少尉なんかも。樺太編に入って、覚悟はある程度しておかねばならないかもしれません。いやでも怖いいいい;;;;;


さて、〆は久々の杉元一行だーーー
ちょっとホッとした。犬橇隊に混じる湯たんぽかわいい。鯉登少尉の腕にスッポリ収まるエノノカちゃんかわいい。鯉登少尉の背中に隠れてしまう大きさの月島軍曹かわいい。
だけどいきなり修羅場じゃない?!?どうした、バーニャとサーカスを思い出せ。

完全なるホワイトアウト。
地吹雪の描写、迫力があってすごい。本当に遭難している気持ちになる。
こうなったら、一瞬の隙や判断ミスが命取りになる。
飛び出して引っ張られる湯たんぽ、それでも自分が思う方へ進もうとする湯たんぽ……!


最初、何か見つけたのかと思ったら、よく見たら先行の橇の跡を追ってるんですね?
「トホトホトー」の掛け声に忠実に従った橇犬と、獲物の足跡を自ら判断して追う猟犬の違いということか。湯たんぽえらいッッッ(´;ω;`)

そして湯たんぽの行動の受け止め方が、杉元と谷垣で違うのも興味深い。
杉元はちょっと湯たんぽとバチバチしてたしね。

ただ、もうこうなってしまったら命を守るために最大限尽くすしかない。
圧倒的な自然を前に人はあまりに無力。天は我々を見放した。


国境はまだ遠く、杉元たちはどうやってここを乗り切るのでしょうか。マタギの谷垣がいるから大丈夫かとは思うのですが。
それから、杉元・谷垣・月島・鯉登のチームが解散となったらちょっと寂しいな……スチェンカしてバーニャしてサーカスした仲じゃないか……。


次号、樺太ハンパないって!!って早速時流に乗ったアオリがついてますが、予告ページにないのでもしかしたら休載かもしれません。第一話からずっと面白いもん、そんなんできひんやん普通……。



第165話 旗手

今週、読むたび苦しくなってしまうのですが、何回読んでも、感想がぶれるというか、気持ちが定まりません。
きっと読む方によって十人十色の感想が出てくると思います。

過去回想って、その人を紐解くヒントがちりばめられているものだと思うのですが、尾形の回想は逆に謎を深めるばかり……。


引き続き、尾形と勇作さんの話。


あっ 岡田さん!玉井伍長!二階堂は……どっちだ?!?
岡田さんと玉井伍長が既に鬼籍に入っていることを考えると、洋平でしょうか。
勇作さん、大人しそうに見えて、戦場では非常に闘争心に溢れていて驚きました。
真っ先に敵陣に飛び込んでいく。本当に優等生だ。


旅順攻囲戦。
二〇三高地。

夜、休戦中でも一人敵を撃つ尾形。
白兵戦では「自分が死なないよう相手を攻撃する」けれど、狙撃手は安全なところから一方的に殺しをしていくので味方からも畏怖されることがある、と聞いたのを思い出しました。

ところで。
やっぱり鶴見中尉……!!!

そう言えば革命の計画は日露戦争の前からだった。
尾形を”たらす”ことについては、103話の回想で
『第七師団は 唯ひとり残された花沢中将のご令息を担ぎ上げる
失った軍神を貴様の中に見るはずだ』
と語っていましたね。
これは結果的に勇作さんが亡くなったから言っただけで、本当は生かす方向だったのか。
(としても、勇作さんがたらされるとは思わないから、どうするつもりだったんだろう。)


現在の尾形は、太鼓を叩いてもらったり、鉢巻してもらったりして、手厚い看病を受ける。
アシリパさんやさしい……!
そしてウイルタの方々も!!

セワというお守りまでいただいちゃって。
「こんなのがあるよ」の例に「顎の痛み」があってふふっとなってしまいました。
尾形、冬の川に落ちた時もこれがあったらよかったのにね。ところで白石は病院行きな。

アハハウフフの文字が入っているけれど、この日本とロシアの境目で、過去に起きたこと、これから起こることに思いを馳せると、苦しい気持ちが押し寄せてくる。


再び回想。
男兄弟というのは 一緒に悪さ<未明にこっそり抜け出す>もするものなんでしょう?
なんか楽しそうな感じだけど、びっくりするほど悪い予感しかしない。
先導する尾形が、地獄へ案内する死神のように見えてしまいました。

あーーーー
ほら。。。。。。。

誰にも見つからないようにこっそり二人で抜けだそ☆って言って敵兵捕虜のところへ来るとか斬新すぎるよ。
公園のブランコとか、コンビニのイートインコーナーでアイス食べるとかにしときなよ。。。。。。

兄様から提案されることは大抵試していること。

旅順に来てから抱いていた疑問。

旗手の秘密。


そもそも、軍旗は帝国陸軍の象徴として非常に神聖なもので、喪失することは絶対に許されないという認識だけあったので、「他の旗手は刀を抜いて戦っているのに」というところで驚きました。片手に軍旗、片手に刀ってこと??凄すぎる……。

提案は質問になり、質問は尋問になる。

本当、このロシア兵とばっちりすぎる……。

『勇作殿が殺すのを見てみたい』のセリフは、花沢中将に言った『ただひとつ確かめてみたかった』のところのセリフと似ている気がしました。「~したい」と希望を述べているのに、その動機はよく分からない。

もちろん拒否する勇作さん。
しかしその理由。

父上の言いつけ。
偶像たること。
そうなるには、一点の曇りなく高潔でないといけない。
その”曇りなく”は、”心身”すべてに求められる。

ここからのやりとり、セリフの一つ一つに、心を裂かれるようでした。

私は、正直、勇作さんにぞっとしました。
どうしても、漫画の中で付き合いが長い尾形目線になってしまうというのはあると思うのですが。
『この世にいて良いはずがないのです』
の言葉が、あまりに鋭くて。
そして急に抱きしめたのにも、よく分からない気持ちがカッと湧いた。
なんだろう、急に触れてくれるな、みたいな。

ここについては、尾形への最後の”救い”とも取れるかもしれないです。
私は、心情を決めつけられたような気がして嫌だったのですが、読む方によって違うと思います。
(多分に恵まれた人への嫉妬もあると思う。。)

でもまぁ、尾形の言う「みんな」もちょっと当てにならないな。
みんなって誰?!言えるの?お友達二人か三人じゃないの。


二人の通ってきたレールはどこでも交わらない。
唯一最後、勇作さんの分岐点で尾形がポイントを切り替えた。


罪悪感なんてないと言いながら、血塗れの弟の幻を見るのは、何か感情があるという証拠だと思う。
振り返るシーンが恐ろしかったです。
目元は一度も描写されていませんが、尾形(花沢中将)とそっくりだったらどうしよう、なんて考えていました。

殺さない、と言っていて殺したのは、尾形の感情故だと思うのですが、それが分からない、分からないよ。。。
あんこう鍋回といい、今回のといい、かなり過去が描写されているキャラクターなのに、どんどん暗く深い淵に落ちていくような気がします。


そして、最後のコマもとても怖かったです。
アシリパさんに何を見ているのかさっぱり分からない。

いや、分からない、というか、まだ点で情報が散らばっている状況だと思うので、これからそれらが一つ一つ繋がっていくんだと思う。
本当に、読むたびうまく形にならない疑問が湧いてくるし、別の角度の感想を見ると、「あぁそれもそうだなぁ」と納得するような回でした。

ゴールデンカムイの、前に出てきた情報が後に余すことなく展開される構成がいつもすごいと思うので、ちょっと考えるのはやめて(もう脳汁漏れそう)、点と点がつながって線になる様を、一つ一つゆっくり追いかけようと思います。





先週カラーだったばかりなのに、来週もまたカラーですね?!?
一週間があっと言う間……。









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